バフェット太郎氏の『バカでも稼げる「米国株」高配当投資』の真実

最終更新日

なんかTwitterで話題になっていたので、僕も買って読んでみましたよ。バフェット太郎さんの『バカでも稼げる「米国株」高配当投資』を。
本の詳細は、氏のブログからどうぞ。
バフェット太郎の秘密のポートフォリオ(米国株配当再投資戦略)

表紙で釣られること請け合い

なかなか良い本であり、とっても勉強になったと思う反面、本を売りたいがための釣り針が表紙から仕込まれていて、ちょっとどうなのよと感じた次第です。
最後まで読んで、推理小説のトリックの種明かしみたいな文章があって、正に「そんな餌で俺様が釣られクマー」ですよ。やられました。

まあ勉強になったからいいんですけどぉ。投資家ってさ、こういう釣りやポジショントークを平気で、それこそスタバでフラペチーノを飲むくらいの気軽さで仕掛けてくるからタチが悪いですよね。まあ僕も投資家気取りなんで、嫌いではありませんけどもね。

どのへんが釣りなのか?ざっと挙げてみると以下です。

  • バカでは稼げない(めっちゃ勉強してるし試行錯誤してる)
  • 10万円からスタートできるけど、大金を突っ込まないと2年で1000万円にはならない
  • OLっぽい女の子のイラストが出てくるのは冒頭の数ページと章扉のみ

ほら、悪質でしょ。釣りまくりの大漁ですよ。バフェット太郎さん上手いことやったわ。この中でも「大金を突っ込まないと2年で1000万円にはならない」というのは大切な話なので、軽く分析してみましょうか。

米国株で1000万円を稼ぐ方法とは

本書では、「楽勝で2年で1000万円を稼いだよ」って言ってますけど、全然楽勝じゃないですからね。米国株を買うのが面倒とか、確定申告が面倒とか、そういう話じゃないです。投資対象の選定もさることながら、最初っから大金を持ってないと2年で1000万円にならないです。本書では、どういう資産運用をして1000万円を稼いだか具体的な金額は書かれていませんが、記述内容から類推することはできます。

前提として、氏の投資方法のポイントを簡単に書くとこんな感じ。

  • 優良で配当利回りの良い米国株を10銘柄選定し、概ね均等に買う
  • 株価が下がっている銘柄を、毎月買い増す(キャピタルゲイン、ドルコスト平均法)
  • 配当金を得て、再投資する(インカムゲイン、複利効果)

長期投資として妥当に見えますし、実際に儲かっているところを見ると妥当性は検証されていると言えるでしょう。では、明細はどうなっているのか?

まず、氏のポートフォリオと配当利回りをまとめるとこちら。(本書より引用)

No. 銘柄名 配当利回り
1 ウォルマート 2.08%
2 コカ・コーラ 3.21%
3 アルトリア・グループ 3.63%
4 フィリップ・モリス・インターナショナル 4.10%
5 プロクター&ギャンブル 3.01%
6 ジョンソン・エンド・ジョンソン 2.37%
7 ベライゾン・コミュニケーションズ 4.43%
8 IBM 3.91%
9 マクドナルド 2.32%
10 エクソン・モービル 3.71%

だいたい均等に買っているとのことなので、各銘柄の配当利回りの平均値が、ポートフォリオ全体の配当利回りとみて3.28%。めちゃ高いという訳ではないです。これは、ざっくり言うと手堅い銘柄を選んだ結果ということです。

次に、株価の上昇具合ですけども、米国株500銘柄の株価を指数化したS&P500が、2016年頭から2017年の終わりまでの2年間で、大体42%上昇しています(1922ポイント → 2743ポイント)。この時点で既に、うわー米国株最強かよ!って思ってしまうんですけどもね。氏のポートフォリオは保守的とのことなので、2年間で30%上昇したと仮定しましょう。いやこれでも凄いけどね。

で、本書の最後の方に書かれているんですけど、毎月50万円(!)の追加投資をしてるとのこと。ここで一気にハードル上がりまくりだよ!毎月50万円て!金持ちかよ!

なんか本の表紙の雰囲気と内容が合ってなくない?と混乱する気持ちを落ち着けてですね。計算の材料は大体揃いました。

  • 配当利回り:年3.28%
  • 株価の上昇:2年で30%
  • 追加投資額:毎月50万円、2年で1200万円
  • 2年後の含み益:1000万円

上記を元に計算すると、初期投資額は大体2100万円(!!)です。計算方法によって若干は変わってくるでしょうけど、規模感はだいたいこんなもん。
つまり本書は、投資総額3300万円を運用して2年で1000万円稼ぎました、という本です。僕のような弱小投資家は、もう既に口の中がおかしな味になってますよ。

この釣りの悪質さ(※誉め言葉です)

そりゃあね、本のタイトルが、

 『拙者、余剰資金3300万円で2年かけて1000万円稼いだでござるよデュフフww』

とかだったら全く売れないでしょうけどね、それにしても表紙と帯から受けた夢のような世界はどこに行ったのよという気持ちになります。日本人の貯蓄の中央値が数百万円の昨今、3000万円の、しかも余剰資金を運用する手法なんて、できる人はかなり限られますよ。

いやいや本書は、投資対象としての米国株の優位性を説いたものであって、投資額の規模は本質じゃないんだ、という意見もあるでしょう。でもね、じゃあ投資額が氏の100分の1、33万円を元手に2年で10万円、稼いでみることを考えてみてください。たった10万円ぽっち稼ぐのに、リスクを取ってわざわざ面倒なドル建て金融資産に投資するか?しないですよね。2年で10万円なら、仕事をちょっと頑張るとか、ちょっと節約してみるとか、もっと簡単にノーリスクでできる方法を選ぶでしょう。

そもそもね、バカっていうのは、3000万円が手元にあったら1年で使い切っちゃうような、将来のことを全く考えない、気にも留めないような連中のことを言うんですよ。そういう意味でも、表紙の雰囲気とやってる内容が全く異なるのが本書です。この点を釣りだと言っています。この売らんかなの仕掛け、かなり悪質です。投資家としては賞賛に値しますよ。大絶賛

本書の良かった点

釣りの仕掛けがあまりにも大胆だったので、本書の良かった点を書く分量が減ってしまいました。気を取り直して、僕が感じた良かった点は以下です。

  • 米国株が割と最強だということを証明している
  • 配当金の再投資戦略の実例である
  • 様々な投資トピックが散りばめられている(米国株の買い方、税金、銘柄選定方法、ダウの犬投資法、等々)
  • インデックス投資を上回ることにチャレンジしている、氏の投資家としての姿勢

特に、氏の投資家としての姿勢には、勇気づけられるものがあります。投資ワールドには開拓する領域がまだまだあり、しかも日々変化していく。それに挑む姿勢には生きる力を感じますね。

あ、そうそう、本書の表現が汚いとか攻撃的とか、そういう点が目立ちがちですが、僕はそんなに気になりません。氏は、実際は別に攻撃的なタイプじゃないと思いますよ。あれこれ攻撃的に書かれている内容は、筆のノリと紙面稼ぎでしょう。本ってのはそれなりの厚みがないと売れませんからね。そうだ、紙面稼ぎといえば、索引を付けるともう少しページ数が増やせて良いと思います。読者にとってもキーワード探しに役立ちますしね。一石二鳥。ご検討ください。

まとめ

世の投資の本は、初心者をカモとして誘いこむお花畑だらけのものが多い中で、割とリアルに実情を語っている本書は良書だと思います。氏の資産運用の内容を推理する、推理小説としての楽しみ方もあります。一見、ピンク色のノリの軽そうな本のように見えて全く侮れません。オススメです。

あ、3刷決定おめでとうございます。まだまだ売れるでしょうねぇ、この釣りシステムのおかげで。氏が、本書で儲けたお金をさらに投資に回して、お金がお金を生んでいくことを願っています。

追伸

僕は、リアルワールドでは投資活動していることをひた隠しに隠しているので、本書にも常にカバーを付けています。投資なんてずるい人間のやることですし、往々にして失敗して大損しますからね。秘密秘密。

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